注意!言い訳も出来ないほどに死ネタなので注意してご覧ください。















 『きみ、きいてるの』

 はい。きこえてますよ。

 『ねぇ、きいてるのってきいてるんだけど』

 きこえてますから、そんなに拗ねないでくださいよ。

 『ぼくを無視するなんて、いい度胸だね』

 あれ?いつものあの台詞はいってくれないんですか?

 『ねぇ』

 はい。

 『ねぇ、いきてるんでしょう?』

 ああ、それですか。
 ざんねんながら。
 ぼく、
 しんじゃった
 みたいなんです、よ。

 『いきてるんでしょう、きみは』

 いいえ、
 どうやらほんとうに。
 しんでるみたいです。

 『こたえてよ』

 ・・・すいませんでした。

 『ねぇ。いつまで寝てるのさ』

 ・・・・・・すみません。
 ほんとうに。
 すみません。

 『はやくおきてよ』
 『ぼくが起こしてるのに起きないって』
 『どういうこと』

 ・・・・・・あれ?また、いってくれないんですか?
 ぼく結構すきなんですけどねぇ
 きみの
 咬み殺すよっていう、あの台詞。

 『・・・・・・ねぇ』

 はい。

 『ねぇ』
 『ほんとうに』
 『しんだっていうの?』

 『ぼくを置いて?』

 『きみはぼくが殺すんだから』
 『それまで死なないって』
 『約束したじゃないか』

 ・・・ああ、それでですか。
 咬み殺すよ、って、言ってくれないのは。
 もう死んでるんだから、
 殺せない、ですし、ね。

 『うそつき』
 『・・・・・・も、う』
 『ほんとにきみは』
 『いつもぼくのいうことを』
 『きいてないん、だ、から』

 ・・・・・・すみません。
 約束をまもれなくて。

 ほんとうは
 きみに
 殺してほしかったんですけど
 ほんとうにそうおもってたんですけど

 いまさら贅沢は
 いえません、ね。

 すみません。
 あなたじゃないひとに
 あんなやつに
 殺されたりして。
 ほんとう、に
 すみませんでした。

 『はやく起きてよ』

 すみません。

 『いますぐ起きて』

 そうできたらいいと、
 ぼくも思うんですけれど、ね。

 『じゃなきゃ』
 『ゆるさないよ』

 ごめんなさい。

 『きいてるの』

 ・・・・・・ああ。

 『ねぇ、きこえて、るん、だ、ろ?』

 ・・・・・・・・・・・・そろそろ、

 『ねぇってば』
 『はやく答えて』
 『いつもみたいに』
 『わらってよ!』

 きこえなく、なってきました。
 ・・・・・・あの、
 最期ですし、いっこお願いがあるんですけれど。
 聞いていただけますか?

 『起きろ、六道・・・・・・っ!!』

 ねぇ、
 ぎゅって、してほしいん、です。
 して、くれ、ま、せん、か・・・・・・?

 お願いします、雲雀君。