向かいに座った彼女の、
テーブルの上でそっと組まれた手を見ていた。
向かいに座った彼の、
テーブルの上で投げ出す様に組まれた手を見ていた。
綺麗な爪をしている、と思った。
綺麗な手の形だ、と思った。
きっと気をつかって手入れをしているのだろう、見たことがある。
爪切りではなくヤスリをつかって丁寧に形を整えていた。
武器を持つ大事な手だからだろう。
日常生活で損傷することがないように、気をつけているようだった。
表面も磨かれているのだろう、男の僕とは全く違う、
何の手入れもしていなくて、ところどころに細かい傷がある爪とは違う、綺麗な爪。
同じものだなんて、思い難い、爪を、見ていた。
それでも手の甲に小さな裂傷のある手。
毎日武器を握っているせいで、指の付根にタコができている。華奢な、細い指、薄い手。
けれど、指は長くて骨張っていて、手はそれなりに大きい。
ちっちゃくて頼りない私の、女の手とは全然違う。
しっかりとした力強い、手を、見ていた。
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彼女の手はなんて、
彼の手はなんて、
綺麗なのだろうと思った。
40 cappiaさんの企画に参加させていただいた品、です。