しばらくぶりに別宅へ帰って、食事も風呂も全て後回しにしてベッドへダイブする。
 布団に頬擦りして、思う。
 あー気持ちいい。ホント気持ちいい。
 ふかふかした、布団を手でぼふぼふ叩きながら思う。
 幸せだなあ。ちょっといい布団を買っておいてよかった。
 疲れすぎたせいか、神経が高ぶってなかなか眠りが訪れない。
 まあ、それでもいいかと、ベッドの上を転々としていたら。
 かちゃかちゃ、と、ドアの鍵が開く音がした。
 あれ。
 この部屋の鍵はオレしか持っていなかったはずだけど。
 ひょっとして正チャンとかに複製されたかな?
 お呼び出しかなー。やだなあ。
 なんて思っていたら。
 その侵入者サンは、ご丁寧にもかちゃりと鍵をかけ直してぺたぺた歩いてきた。
 「あれ?居る」
 声がして。
 「恭チャン!?」
 上体を起こしてみれば、ベッドルームの入り口に恭チャンが立ってこっちを見ていた。
 「久しぶりだねー、恭チャン」
 「恭チャンって呼ぶな」
 いつもの彼だ。なんとなく楽しくなって、笑みがこぼれる。
 「ご飯食べない?」
 首をちょっと傾げているのが可愛いなあ、なんていったら殴られるんだろうな。
 そんなくだらないことしか思い浮かばない、俺の頭は相当疲れきってる。
 「その辺にマシュマロ置いてあるよ」
 食べてもいいよと言っても、彼は、
 「いらない」
 即答だ。いつか食べてもらいたいと思っているのだけれど、一向に食べてくれない。ちょっと泣きそう。
 「あなたは食べないの?」
 「うん、オレ眠いから寝るの。恭チャン、キッチン使っていいよ」
 「あなた、寝るの?」
 「うん」
 答えて。彼はそのままキッチンへ行くかと思いきや。
 ベッドルームの中に入ってきて。
 オレが掛けていた布団の端を、ばさりと捲って隣に入り込んできた。
 「恭チャンも、寝るの?」
 「だって、あなた、寝るんでしょ?」
 だから一緒に寝るんだよ、なんて言って目を閉じる彼。
 なんか、こう、こみ上げてくるものがあるよ、恭チャン・・・!!
 感動のままぎゅーっと抱きしめると、恭チャンは、痛いよと言って身じろいだけれど、そのままオレの胸元に擦り寄って来たりしていて。
 ああ、もう本当に愛おしい!
 おやすみ3秒、早くも寝息を立て始めた恭チャンの頭を抱きしめて、オレも眠った。
 朝、
 「スーツが皺になったよ!」
 なんて恭チャンに怒られたけど。
 それは、オレのせいじゃないってば!!
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1/18記念白雲。
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