この話は、
 綱吉(25)了平・ランボ(13)獄寺・山本(9)骸(5)雲雀(3)凪(1)()内は年齢
 という、ファミリーパロとなります。凪はほとんど喋れませんし骸と雲雀は幼児語です。
 それでもよろしければ・・・どうぞ。






 「皆、極限に起きろーーー!!!」
 「だああぁっ!うるせえよ、了平兄」


 朝7時。並盛町のとある家に声が響く。声の主は了平。この家の調理担当その一だ。ちなみに了平にうるさいと言ったのが調理担当その二、隼人だ。
 一番に起きて、リビングに入ってきたのはこの家のパパ的存在、綱吉だった。

 「ん、おはよー。他の皆はまだ?」
 「じゅーだいめ!まだ起きてきやがりませんよ。果たしましょうか」
 「いやいやいやいや、普通に起こしてきて。あ、凪はまだ寝かせておいてね」
 「了解しました!」「了解だ!」

 ふわあ、とあくびをする綱吉。まあ、その光景を見ていても面白くないので、他の子どもを起こしに言った二人に視点を移したいと思う。

 了平が来たのは隼人と武の部屋。いびきが聞こえる。豪快だ。ベッドを見るとこれまた豪快な寝相で少年が寝ている。武だ。

 「武、極限に起きろー!!」

 ばしばし。叩く。起きない。

 「たーけーしー!!」

 ばしばし。ばしばし。

 「んー?」
 「おう!起きたか!」
 「朝か?了兄」
 「そうだ」
 「んじゃ、起きていきまーす」

 こちらはひとまず問題ない。続いては了平とランボの部屋に行く。ベッドでランボがおとなしく寝ていた。

 「らーんーぼー!」
 「んんー?」

 起きた。

 「朝御飯?」
 「おお!」
 「んじゃ顔洗ったらいくから」

 了平、ミッションクリア。しかし問題はこれからだった。

 隼人が来たのは骸と恭弥の部屋。早くも危険な匂いがひしひしと伝わってくる。
 お互いに壁の方を向いて、ちんまり丸まって寝ていた。

 「骸、恭弥、起きやがれ!」

 ・・・・・・起きない。

 「むくろー!!」

 まずは骸からびしばし叩いて起こす。

 「うー・・・ん?」
 「やっと起きたか。おせえんだよ!」
 「隼人兄こそ人をばしばしたたかにゃいでもらえますか?」

 口達者だ。隼人はいらっときたが、なんとかおさえた。
 しかしなんとなく八つ当たりがしたくなった。
 反対側、恭弥のベッドの方へ向かい、恭弥が抱いているぬいぐるみ、形そのままうさぎちゃんと呼ばれているそれをばっと奪い取る。
 恭弥が、がばりと起き上がった。

 「かえちて!」

 隼人は、かえさない。ベッドから離れ、手を上に上げて届かないようにしてしまう。

 「かみかみしゅぅよ!」

 脅し・・・らしい。ベッドから降り、隼人をぼかすか殴る。が、恭弥といえど、所詮3歳児。痛くもなんともない。
 隼人は骸の方へうさぎちゃんを放り投げた。

 「そぉい!」
 「あっ!」
 「・・・?」

 寝ぼけ眼な骸がそれをキャッチ。恭弥は隼人に捨て台詞を吐き、骸の方へ向かう。

 「はやとにいのばか!」
 「むくりょ!かえちて!」

 やばい、かわいい。そう思った人間が居た。
 綱吉だ。
 騒ぎを聞きつけ、リビングからやってきたのだ。腕の中には凪もいる。

 「さわがしーよー。どうしたの?」
 「はやとにいが!」

 恭弥が訴える。しかし他人に助けを求めるのは嫌らしくそこから先は口にしない。
 骸がうさぎちゃんを捨て、綱吉に、訂正、凪に手を伸ばす。

 「綱吉、凪をこっちによこしなさい」
 「おっまえ、よこしなさいじゃなくて、よこしてくださいだろー。あと綱吉兄!」
 「うるしゃいですね。なんでもいいからはやくしなさい」
 「まったくおまえはー・・・」

 綱吉が凪を骸に預ける。恭弥が捨て置かれたうさぎちゃんをさっと拾った。

 骸が凪の頭をなでる。
 恭弥が凪の頬をつつく。
 凪が笑った。

 「ぼくがなでたからわらいました!」
 「ちがう!ぼくがつん、ってしたから!」

 綱吉が言う。

 「微笑ましすぎる・・・」



 ドアのところに武とランボが顔を覗かせる。

 「何やってんの、皆?飯くわねーの?」
 「あー今行くー」




 結局凪も含め全員が食卓に着いた。手を合わせる。


 「いただきます!」


 一日が、始まる。